5月園だより

神戸幼稚園 園庭からみる園舎

むくむくとして自然のいのち盛り上がる土に、草も木も、生育の力に張り切っていないものはない。しかも、盛り上がる土のいのちに晴々と笑みかけて、一切の生育を思いのままに遂げさせているものは、五月の日光である。(中略)

 強いて育てるものでもない。激しく励ますのでもない。ただ自らわだかまりなき明朗さにいて、育つものを育たせているのが五月の日光である。(倉橋惣三 育ての心より)

 年長組は年少組の登園をサポートすることからスタートしました。「○○ちゃんおはようございます」と不安気な年少組の子どもたちの顔をのぞきこみ、手を引いて歩いて行く姿は、何とも大人っぽく見えます。胸に子どもたちの憧れだったさくら組の黄色いバッチがピカピカ光ってゆれています。玄関では入園の頃を思い出しながら我が子の成長を微笑ましく見守るさくら組の保護者の方々が並んでおられました。さくら組のこの1年は幼児期のまとめとなります。今は何をする時で、次は何をするのか、自分でしっかり考え、次への準備ができる賢い子になることを目標にしましょう。ですから、親が何でも手と口を出してやってしまうのではなく、子に考えさせていくことが大事です。

 年中組は、2つのクラスが合わさり、1つ大きなクラスになると同時に部屋が2階になったという優越感が声の大きさに表れています。「先生はお話聞いて下さいって3回言っていますよ」との声にもめげず、隣の友だちとペチャクチャ、長く首をのばして5人先の友だちとペチャクチャ。考えてみれば友だちが倍になったのだもの話したくてたまらないですよね。賑やかになります。自分の事をする前に、友だちの事に気を回し、気を回された方は「わかってるよ」と言い返す。こんな様子もあちらこちらで見かけます。周りが見えるようになってきたのでやってあげたくなるのですね。体操の時間にはクラスみんなが横に手をつないで間をくぐったり、またいだりの運動がありました。お友だちとうまくバランスをとって引き合い、また、応援する姿に仲間づくりのスタートを見た気がしました。

 年少組は泣き顔多数だった初日から比べれば、はるかに落ち着きました。登降園時の泣き笑いで、保護者の方は一喜一憂の毎日だったことでしょう。毎日うわばきを履いたり、イスに座ったり、給食、外遊び、などなど日替わりの目玉があって、お腹いっぱいのフルコース。中でも1番盛り上がったのは、やっぱりお母さんのお弁当です。「うまい!」「最高!」の声が広がりました。

 どのお子さんにも、進級・入園に戸惑いがあります。特に泣いたり、渋ったりの様子を見ると保護者の方も悩み、迷うでしょう。けれど保護者の方は家庭ではできない、集団での学びを求めて幼稚園に入園させて下さったのだと思います。大丈夫です。私たち教諭が全力でサポートしますから。お子さんには笑顔の勇気で送り出してあげて下さい。