2月園だより

神戸幼稚園 園庭からみる園舎

 

被災地に雪が降ります。音も無く降り積もる雪に「降るのはそこまでにして!」と叫ばずにはいられませんでした。生活再建に向けて、少しでも心と体が和らぐ春が早く訪れることを祈るばかりです。

 私は先日、瀬古利彦氏の講演会に出席する機会を得ました。『心で走る』というテーマでした。瀬古氏といえば若い保護者の皆さんには、箱根駅伝の解説者と言った方が解かりやすいことでしょう。1980年代、彼は数々のマラソン大会を制する陸上界のヒーローでした。私もテレビ画面を通して、その晴れがましい力走の様子はよく覚えています。その練習たるや5千メートルを8本走ったあとに42キロ走るといった、一般人からは考えられない、それはそれは過酷なものであったと話されていました。そこまでの方ですからもちろんオリンピック候補になり、大会出場となりました。しかし入賞はかないませんでした。その頃は、当然メダルが得られるだろうという周りからのプレッシャーで家から外に出られない位、心も体も押しつぶされていたとのことです。現在はその苦しかった経験を生かし、引退後も陸上練習においての意識革命や、選手選考会の1本化に尽くされています。長い厳しい選手生活の中では何度ももう辞めようと思われたとのこと。陸上界に関わりを持たなくても済むのに、今でも扱わっているのは、走ることが『好き』であってのことなのだと、私は講演を聴きながら思いました。

何事も『好き』であることが続けられる理由の1つであるのだと思います。

人は生まれた時からずっと『好きなもの』『好きなこと』『好きなひと』を探し続けているのではないでしょうか。見つかる時が早いか遅いかはあるかもしれません。でもこれだ!!と見つかった時はそのものを愛し続けましょう。時には困難なことにもぶつかり、愛し続けることが容易でないことではないこともあるでしょう。でも続けた先にはきっと何か喜びが生まれるはずです。

 2月には産まれてからずっと愛し続けたお子様たちがそれぞれの学年で得た成果を発表する劇ごっこがあります。神戸幼稚園の劇ごっこは決して派手ではないけれど、子ども同士で、子どもと先生で応答が繰り返されてたくさんのことを学んだのだなということが理解していただける劇ごっこです。「我が子は大きくなった」と感じる場面があれば、それはお父さん、お母さんがお子さんを愛し続けたからこそ生まれた喜びなのです。

 

                      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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