9月園だより
夏休み前半は暑い暑い夏でしたね。
日中気温35℃以上で夜は熱帯夜が毎日続き、まるでフライパンの上で生活しているかのようでした。
そのような中、大きな病気やケガも無く過ごされて、新学期に元気な顔がそろったことを、大変嬉しく思います。各御家庭に楽しい夏の思い出はできましたか。
私は特にイベントも無く、坦々と幼稚園と家の往復を続け、帰宅途中に時々高級アイスクリームをご褒美で買って食べること位が、夏のにんまりする出来事でした。
8月21日には第29回全埼玉私立幼稚園連合会幼児教育フォーラムがあり、私をはじめ常勤教諭の久木宮・熊川・篠島・岡田と共に参加しました。講師は金田一秀穂先生を迎え「心のこもった美しい日本語」という演題で講演がありました。
私たちは教諭として子どもたちへも保護者の皆様にも、丁寧で理解しやすい言葉使いをしようと日々努力しているつもりですが、うまくいかない時もあります。そのため今回のテーマは大変興味のあるものでした。
堅いお話なのかと思っていましたが、金田一先生はとてもユニークな語り口で「○○姉妹の敬語ってどう思いますかぁー?」から始まり、笑いあり、うなづきあり、の展開でした。
先生は「美しい日本語に正解はない。なぜなら心から使いたい言葉を使う。それが正しいからです」と話されました。正解がないと聞けば自由なようですが、自分と相手と場面をよく考えて、自信(責任)を持って自分らしく発言するということですからこれは深いです。そして心がいきいきしていないと心の言葉は出てきませんよね。
伝えたい人に通じるように話すこと。
これは親子の関係で考えれば心が動くような良いことがあった時に、必ず動いたその時に心の言葉で伝えてあげるということだと思います。
是非美しい日本語を実行してみて下さい。
美しい日本を守ることも大事です。戦後70年になり、戦争を知らない私たちがどうやって平和を守っていけるのでしょうか。
政治や社会情勢をみていると、国のあり方が大きく変わろうとしていることが伺えます。
私がいつから平和を考えはじめたか記憶をたどると、小学校1年生だったと思います。
新聞社のチケットが当たり、東京の大きな映画館まで、祖父と父と私で出かけたのを覚えています。
「はだしのゲン」(中沢啓治 作)を鑑賞しました。
その時に赤裸々につづられた光景と内容についてとてもショックだったことを覚えています。もっとショックだったのは、いつもはにこやかな祖父が涙を流し続けている様子でした。
祖父は戦争に行き、銃弾が耳の上をかすめ、その痕が残っている人でした。
祖父の涙を見て私も泣けてしまい戦争はしてはいけないとその時身に染みたことを覚えています。
その後、自分の子2人には夏には何か1つ戦争やその当時の暮らしに関するもの何でも触れるようにしてきました。
本を読んだり、息子は興味を持った戦艦ヤマトの資料館へ友だちと呉市海事歴史科学館大和ミュージアムまで行ったこともあります。
その時々の年齢で感ずることは様々ですが、感じたことを素直に私は子どもたちから聞かせてもらいます。
これもまた正解があるのではなく貴方が感じたことがすべてであるという姿勢で聞きます。
大切なことって目に見えないのです。
だから守っていくことは大変なのです。
誰にでも1度しかないかけがえのない人生ですから、大事なのです。
残暑厳しく、この頃には夏の疲れが出る頃です。皆様お体を大事に過ごされて下さい。
お子さんの睡眠時間は充分にとるように心がけて下さい。
園長 千代田正美